「タマリバーバス」って?
(Photo and Text by K-hiroki)
等々力・玉堤地区を走る「タマリバーバス」は、世田谷区の路線整備と経費補助で誕生した初のバス路線。玉堤地区の地元住民の足として、また大学や福祉施設の集まる沿線の足としても重宝されている。
1.「タマリバーバス」開通の経緯
玉堤地区は多摩川沿いの住宅街にもかかわらず、急坂と狭い道のために、バス路線の設置が難しいとされていた。そこで、路線を開設するにあたって、世田谷区が地域調査と関係機関との調整を行った上で、東急バス(株)が運輸省と世田谷区から経費補助を受けることになった。
運行開始は1998年10月18日。前日には雨の降る中で、地元商店街を挙げて盛大な開通式が行われた。
この路線の開通を前に、区民からの一般公募により「タマリバーバス」という愛称名とマスコットマークが付けられている。
2.運転形態・運賃について
「タマリバーバス」は、玉川総合支所・正面の等々力バス停から、等々力不動尊に玉堤地区会館、尾山台駅と抜けて、約16分で等々力に戻っていく、左回り4.4kmのルートである。 等々力を起点としているが、尾山台から玉堤方面というように、基本的には等々力を跨ぐ形でそのまま乗ることも可能だ。このバス路線そのものは、東急バス瀬田営業所の「等01系統”玉堤循環”」として運転。ほぼ200mごとに合計・16か所のバス停が置かれている(後に「寮の坂上」バス停を増設して、現在のバス停は17か所となっている)。
バス停のポールは、東急バスの一般路線で使われているものより背が低く、「タマリバーバス」のシンボルマークである、太陽のマスコットが描かれている。ちなみにそのイラストは、区内の小学生の作品から選ばれたもの。
運賃は、通常の路線バスと同じで、大人210円/小人110円。東京都シルバーパス・「バス共通カード」・東急バス一日乗車券もOK。他の市や区で運転されているコミュニティバスによっては、「バス共通カード」が使えないなどの制約があったりするので、このあたりは嬉しいところ。
3.車両について
車は三菱ふそう・エアロミディMJ (KC-MJ218FVF)が3台使われている。これは7mクラスの小型車で、スロープ板付きワンステップバスとなっている。 武蔵野市や三鷹市などでは、独特なデザインをしたコミュニティバスが走っているが、こちらでは東急バス一般車と同じく、シルバーに赤帯というカラーリングに、「タマリバーバス」の表示ステッカーと太陽のマスコットといった感じで、少し控えめなものになっている。それでも正面の表字幕は、「等01 等々力○玉堤」という感じで、○の部分は左回りの矢印になっており、意外とユニーク。
「タマリバーバス」のルートは、等々力・尾山台の高台から多摩川左岸の玉堤地区にかけてかなりの急坂になっており、しかも、急カーブのある狭い路地や多摩堤通りの側道を抜けるので、かなり窮屈。小型バスを使う理由は、こうした所にあるようだ。
4.最寄りの施設・見所
沿線には、様々な公共機関や教育機関が集中している。「タマリバーバス」のルートをまわった限りでも、こんなに施設や見所がある。
| バス停名 |
最寄り施設など |
| 等々力(玉川支所前) |
| 等々力商店街 |
| 等々力不動尊 |
| 武蔵工大前 |
| 玉堤地区会館 |
| 武蔵工大東入口 |
| 尾山台駅 |
「玉堤ホーム」「玉堤つどいの家」はそれぞれ障害者の自立支援施設。車椅子で「タマリバーバス」に乗り、ここへ通園する利用者もいるようだ。毎年11月には、等々力バス停前の玉川総合支所で「保健と福祉のつどい」というイベントが開催されるので、もし機会があったら、この沿線の施設が出している露店なんかに訪れてみるといいかもしれない。
時折、雑誌で紹介されることのある、等々力渓谷もこの沿線。区内指折りの桜の名所であり、なおかつ貴重なせせらぎが残っている場所なだけに、タマリバーバスに乗って自然を楽しみに行くのもいいだろう。